社会福祉法人ウエル清光会
記念すべき第1回は、生きがいを持って働ける生涯現役の職場を目指しておられる 『社会福祉法人ウエル清光会』の小池由久理事長にお話をお伺いしてきました。
私たちネッツトヨタニューリー北大阪株式会社は1961年の創業以来、 「自分の子供を入れたくなる会社になる」「世代を超えて100年続く」という2つのゴールを掲げ、社員にとって幸せな職場になることを一貫して目指してまいりました。 このコーナーでは従業員を大切に経営されている企業トップにインタビューさせていただき、社員価値の高い企業づくりについて学びます。 真のお客様価値は幸せに働く社員によって生み出される、が私たちの信念です。記事を通して私たちの目指すゴールを多くの方に知って頂ければ幸いです。
ネッツトヨタニューリー北大阪株式会社
代表取締役社長 小西 敏仁
従業員の物心両面の幸福を追求する
──小池理事長、インタビューのオファーを快くお受けいただきありがとうございます。地元企業で人を大切に経営を続けてこられた企業様を特集する企画の第一弾です。 小池理事長とは古くからお付き合いさせていただいておりますが、真摯な経営スタイルは常に私のお手本です。本日はウエル清光会様の理念と社員の皆様、利用者様への想い、ここまで経営をされてきた経緯についてお話しをお伺いしたいと思います。よろしくお願い致します。
小池:よろしくお願いします。元々私は、主に病院の会計コンサルを中心に行っている「日本経営」という会社の2代目の代表をしておりました。 そちらのお客さまのドクターから立ち上げられた施設の経営を助けてほしいと依頼を受けたことが私がウエル清光会の経営に携わることになったきっかけでした。以来12年間にわたって経営を続けさせていただいています。
──ウエル清光会の第一印象はどうでしたか?
小池:まずびっくりしたのが、現場の職員の年収です。当時の年収は300万円ぐらいで、これでは職員の生活が成り立たない、現場の年収を450万円までもっていきたいと思いました。昨年には職員の平均年収が400万円を少し超える水準になりました。まだ道半ばですが、なんとか450万円まで年収を引き上げたいと思っています。
──450万円という金額に強い思いがあるのですね。
小池:現場は早出、遅出、夜勤をシフトで順番に担当します。勤務時間は月間168時間。決して楽な仕事ではありません。年収450万円を職員が稼ぐようになれば、共働きすると900万円。これだけあれば豊かな生活を送ることができます。これが私が描いている理想の姿です。
──職員さんの幸せに強い思いがあるのですね。
小池:はい、当施設の経営理念は、「全従業員の物心両面の幸福の追求と、福祉と教育を通じて六方笑顔を創造し、社会の成長発展に貢献する」というものです。従業員の幸せを追求すると同時に、自分や大切な人に要介護が生じたときに、「自分達の施設を利用してください」とみんなが言えるウエル清光会になりたいんです。
もう一つ、私が一つ取り組んでいきたい大きなテーマに「生涯現役」というものがあります。介護は生活の延長線上にあるものです。だから、介護は誰もが無関係ではいられないと同時に、誰にでもできる仕事なんです。
日本が今、抱えてる課題は、少子高齢化という中で、今後若い世代に大きな負担がかかることになります。高齢世代が引退せず、現役で活躍し続ける事は日本を救うことにつながります。だから私は全力で「生涯現役」にチャレンジしていきたいと思っています。
今私どもの介護の現場で一番年配の職員が、79歳なんですね。
もう一つ、私が一つ取り組んでいきたい大きなテーマに「生涯現役」というものがあります。介護は生活の延長線上にあるものです。だから、介護は誰もが無関係ではいられないと同時に、誰にでもできる仕事なんです。
日本が今、抱えてる課題は、少子高齢化という中で、今後若い世代に大きな負担がかかることになります。高齢世代が引退せず、現役で活躍し続ける事は日本を救うことにつながります。だから私は全力で「生涯現役」にチャレンジしていきたいと思っています。
今私どもの介護の現場で一番年配の職員が、79歳なんですね。
──79歳ですか!
小池:実は今、70歳代の職員が増えているんです。元気だから働けるというのもあるんですが、私は逆なんじゃないかなって思っています。働いているから元気になっていくんだと思います。仕事を引退した後に明確にやりたい事がある方はいいのですが、多くの人が仕事を引退することで、生活のリズムが狂ったり日々の張り合いをなくしたりしているように思います。
79歳の方はお孫さんにお小遣いをあげたいんですね。収入があるからかわいい孫が来る度にお小遣いをあげられる。こういうことがその人の生き甲斐になると思うんです。
僕たちの目標はこの方なんです。うちの施設の方ではないですけど、千福幸子さんという85歳のヘルパーさんです。この方は70代で介護業界へ入られて、73歳でホームヘルパー2級、76歳で介護福祉士、80歳でケアマネの資格をとられました。素敵なのが、今でも『今が一番幸せ。晩ごはんがおいしい』っておっしゃっています。去年千福さんと対談したんですが、週4日訪問介護をしておられます。それにまだ大好きなお酒を嗜んでおられるんだそうです。
こんな風に高齢者の方々が生き甲斐を持って生きられる職場をつくりたいと思っています。
79歳の方はお孫さんにお小遣いをあげたいんですね。収入があるからかわいい孫が来る度にお小遣いをあげられる。こういうことがその人の生き甲斐になると思うんです。
僕たちの目標はこの方なんです。うちの施設の方ではないですけど、千福幸子さんという85歳のヘルパーさんです。この方は70代で介護業界へ入られて、73歳でホームヘルパー2級、76歳で介護福祉士、80歳でケアマネの資格をとられました。素敵なのが、今でも『今が一番幸せ。晩ごはんがおいしい』っておっしゃっています。去年千福さんと対談したんですが、週4日訪問介護をしておられます。それにまだ大好きなお酒を嗜んでおられるんだそうです。
こんな風に高齢者の方々が生き甲斐を持って生きられる職場をつくりたいと思っています。
労務倒産の危機で得た気づき
──全従業員の物心両面の幸せを追求していくという理念に対する具体的な目標に「平均給与額の向上」と「生涯現役」があるのですね。経営がうまくいっていない時期に事業を引き継がれてこの2つを実現しようと取り組むことには相当な苦労があったのではないですか
小池:はい、収益力もなかったらどんなビジョンも絵空事になってしまいます。経営そのものを良くする必要がありました。
私が長く代表を務めさせていただいた日本経営という会社では体育会系のノリで、300時間働いて一人前という文化でした。
日本経営は会計やコンサルといった形のない仕事が商品ですから、商品をお客様に提供する人の能力が大切になるわけです。プロ野球選手のようなものですね。プロ野球選手が大観衆の前で良いプレイをしようと思うなら、時間が来たから終わりというような練習では一軍にさえ残れませんよね。そのような考え方で仕事をすることが当たり前の会社でした。
ウエル清光会でも私はそのような姿勢で経営をしておりました。しかしそれが上手くいかなかったのです。
私が長く代表を務めさせていただいた日本経営という会社では体育会系のノリで、300時間働いて一人前という文化でした。
日本経営は会計やコンサルといった形のない仕事が商品ですから、商品をお客様に提供する人の能力が大切になるわけです。プロ野球選手のようなものですね。プロ野球選手が大観衆の前で良いプレイをしようと思うなら、時間が来たから終わりというような練習では一軍にさえ残れませんよね。そのような考え方で仕事をすることが当たり前の会社でした。
ウエル清光会でも私はそのような姿勢で経営をしておりました。しかしそれが上手くいかなかったのです。
──何があったのですか?
小池:2015年、行政に内部告発があって虐待認定されたんです。1億数千万円のペナルティを課された上に、マスコミに通知され、全国紙4紙に記事が掲載されました。ネットにも虐待起こした施設だと書き込みをされました。後ろ指を刺されるような状況になってたくさんの人が去っていきました。
さらにその年に宝塚のオープンがありました。35億円投資した大きい施設です。本来は立ち上げるために、他の施設のベテランの人が応援に行くべきところですが、人がたくさん辞めて体制が崩れているわけですから、応援どころじゃありません。
そこで70人の新規採用をしたのですが、ほどなく40人が退職。とにかく人を雇っては辞められ、深刻な人不足に陥っていました。その時は労務倒産という言葉が頭をよぎりましたね。追い打ちをかけるように9月23日朝6時に芦屋の施設から連絡がありました。どうしたって聞いたら、利用者様が4階から誤って転落して亡くなったと。謝罪にお伺いして、4時間土下座しました。しかし、許してもらえませんでした。ご遺族には「お前のとこの施設に殺された」と言われました。
いつ終わるとも知れない負の連鎖が続いていました。本当にこのときは(会社が)潰れると思いましたね。
さらにその年に宝塚のオープンがありました。35億円投資した大きい施設です。本来は立ち上げるために、他の施設のベテランの人が応援に行くべきところですが、人がたくさん辞めて体制が崩れているわけですから、応援どころじゃありません。
そこで70人の新規採用をしたのですが、ほどなく40人が退職。とにかく人を雇っては辞められ、深刻な人不足に陥っていました。その時は労務倒産という言葉が頭をよぎりましたね。追い打ちをかけるように9月23日朝6時に芦屋の施設から連絡がありました。どうしたって聞いたら、利用者様が4階から誤って転落して亡くなったと。謝罪にお伺いして、4時間土下座しました。しかし、許してもらえませんでした。ご遺族には「お前のとこの施設に殺された」と言われました。
いつ終わるとも知れない負の連鎖が続いていました。本当にこのときは(会社が)潰れると思いましたね。
──そのような絶望的な状況の中で小池さんは何を考えておられたのですか?
小池:なぜこのような事になったのかを考えていました。私が体育会系のマネジメントをすることで、現場のリーダーたちはスタッフの顔ではなくて私の顔を見て仕事をするようになっていました。だから現場のスタッフは施設に何か問題があっても、理事長の顔ばかり見ているリーダーには相談できなかった。だから職場での改善が起こらなかった。私は日本経営での成功したそのままのやり方がウエル清光会でも活きると思っていた。そこに驕りがあった。そういう事なんだと思います。
そのことに気づいて以来、自分の仕事が終わってから毎晩施設に行って泊まり込む事にしました。
そのことに気づいて以来、自分の仕事が終わってから毎晩施設に行って泊まり込む事にしました。
──職員の皆様は、どのような反応していました?
小池:最初は警戒していました。理事長が粗探ししとるってね。今まで来なかった人が急に来るんですから、そんな風に感じますよね。みんなシフトで仕事しているので夜、1週間毎日行っても1回しか会えません。だからしばらくは警戒されているままでした。
私自身も急に現場に行ってもできることがありません。「飲み物何がいい?」って聞いて買いに行ってました。「コーヒーお願いします」って言われたら「ブラック、微糖、甘いの、どれにする?」って。そういうことを続けさせてもらって、6カ月ぐらいした頃からだんだん打ち解けていきだして、いろいろな課題を話してくれるようになりました。
そうやって話を聞いていくと、私が現場のことをどれだけ分かってなかったか思い知らされました。
私自身も急に現場に行ってもできることがありません。「飲み物何がいい?」って聞いて買いに行ってました。「コーヒーお願いします」って言われたら「ブラック、微糖、甘いの、どれにする?」って。そういうことを続けさせてもらって、6カ月ぐらいした頃からだんだん打ち解けていきだして、いろいろな課題を話してくれるようになりました。
そうやって話を聞いていくと、私が現場のことをどれだけ分かってなかったか思い知らされました。
仕事に誇りを
──具体的にどのような事に気づかれたんですか?
小池:今まで私は、会計、コンサル、薬局、クリニックと様々な業態の会社を運営してきましたが、介護施設が一番難しい仕事だという事に気が付きました。介護施設は人を相手に仕事をしています。それも24時間365日。例えば会計の仕事であれば、資料を作って間違えたらもう1回直せばいい。でも介護はそうはいきません。間違った瞬間、それは取り返しがつかない事故になってるわけですから。利用者様の平均年齢は87歳です。仮に転倒されたら必ず骨折が伴います。
全ての利用者様にはなんらかの課題があります。例えば認知症が進んでいるとか。
終わり良ければ総て良しっていう言葉がありますよね。
利用者様にどんな課題があろうとも人生の最後に、天国へ行かれるまでのお世話をさせていただいて、結果的にこの施設でお世話になってよかったなあと思って天国へ旅立っていただきたい。その方法はそれぞれ個別の課題を抱えられている利用者様一人ひとりでやり方が違うんです。
全ての利用者様にはなんらかの課題があります。例えば認知症が進んでいるとか。
終わり良ければ総て良しっていう言葉がありますよね。
利用者様にどんな課題があろうとも人生の最後に、天国へ行かれるまでのお世話をさせていただいて、結果的にこの施設でお世話になってよかったなあと思って天国へ旅立っていただきたい。その方法はそれぞれ個別の課題を抱えられている利用者様一人ひとりでやり方が違うんです。
──労務倒産の危機の中で、仕事の難しさや本質的な価値に気が付かれたんですね。職員の皆さんはそんな小池理事長の言葉を少しづつ聞くようになっていったと。
小池:はい、でもまだまだです。伝えたい想いはたくさんあります。想いを職員に伝えるためには聞いてもらえるようにならなければなりません。ですから職員の喜ぶことをやっていこうと思っています。
例えば去年は慰安会を18回に分けて行いました。これ、見てください。職場単位でQC活動に取り組んでいるんです。千里阪急ホテルさんをお借りして毎年発表会をするんです。
例えば去年は慰安会を18回に分けて行いました。これ、見てください。職場単位でQC活動に取り組んでいるんです。千里阪急ホテルさんをお借りして毎年発表会をするんです。
──すごいボリュームですね!
小池:これも見てください。私達の業界では3分の2ぐらいが給食会社さんに委託なんですが、ウエル清光会では職員が料理を作ります。よりおいしく、健康にいいものをつくろうと、料理のレシピ集をつくったんですよ。それから、これは体操の本。施設には理学療法士さんもスタッフとして勤めています。でも病院のように治すことを目的にした機能回復訓練ではありません。要は楽しさっていうものがないといけません。それでスタッフがオリジナルの体操を考えるんです。
──すごいクオリティーですね。時間的にも大きな投資をしておられるんだと思います。このような「もっと良く」という仕事を通じて、小池さんが伝えたいことは何ですか?
小池:仕事に誇りを持ってもらえるようになってほしいんです。みんなが参画して作り上げるという過程が何より大事です。
──毎日のオペレーションに加えて、これだけの仕事をされているのは素晴らしいですね。職員さんの教育にも大きな投資をされているのでは?
小池:矢野さんっていう職員がいるんです。彼は48歳のときに親から受け継いだラーメン屋さんを畳んでうちに入ってくれました。うちに入ったときは介護の知識、経験ゼロ。それが7年目の今年を迎えるまでに、介護福祉士とケアマネの資格を取ってくれました。それで去年、矢野さんに社会福祉士を取ってくれないかと提案したんですよ。
そしたらちょっと考えて、「理事長、無理です」と。なぜか聞くと、彼は短大卒だから受験資格がないんです。いろいろやり取りあったんですけども、彼は去年から通信大学に行ってくれてるんです。で、今年、矢野さんにどんな感じか聞いたら「理事長、16歳の息子が勉強しだしました」って。彼は今年55歳です。55歳のお父さんが働きながら通信大学で勉強する姿は、息子さんにとって、やっぱりなんか感じるものがあったんだと思います。「矢野さん、今まであなたは信頼されたお父さんやったと思う。でも今は信頼されるお父さんから、尊敬されるお父さんに変わってきたんだね」って彼と感動していました。
こういうストーリーを一つずつ作っていかないといけません。時間がかかっても。今、通信大学へチャレンジしてる人が7人いますけど、これを100人にしたい。だから誘惑してるんです。明るい未来は向こうから来ない。こっちから明るい未来に向かっていくんだっていうことでね。
最近は面接で3つの約束をしてもらいます。「うちに入ったら、人の悪口は一切言わないって約束できますか?」「不平不満、愚痴は言わないって約束できますか?」「うちに入っていただいたら、勉強して介護福祉士、ケアマネ取ってくれますか?」でもやっぱり面接だから、「取ります」ってみんな言ってくれる。だからそれを紙に書いてもらってコピーする。
そしたらちょっと考えて、「理事長、無理です」と。なぜか聞くと、彼は短大卒だから受験資格がないんです。いろいろやり取りあったんですけども、彼は去年から通信大学に行ってくれてるんです。で、今年、矢野さんにどんな感じか聞いたら「理事長、16歳の息子が勉強しだしました」って。彼は今年55歳です。55歳のお父さんが働きながら通信大学で勉強する姿は、息子さんにとって、やっぱりなんか感じるものがあったんだと思います。「矢野さん、今まであなたは信頼されたお父さんやったと思う。でも今は信頼されるお父さんから、尊敬されるお父さんに変わってきたんだね」って彼と感動していました。
こういうストーリーを一つずつ作っていかないといけません。時間がかかっても。今、通信大学へチャレンジしてる人が7人いますけど、これを100人にしたい。だから誘惑してるんです。明るい未来は向こうから来ない。こっちから明るい未来に向かっていくんだっていうことでね。
最近は面接で3つの約束をしてもらいます。「うちに入ったら、人の悪口は一切言わないって約束できますか?」「不平不満、愚痴は言わないって約束できますか?」「うちに入っていただいたら、勉強して介護福祉士、ケアマネ取ってくれますか?」でもやっぱり面接だから、「取ります」ってみんな言ってくれる。だからそれを紙に書いてもらってコピーする。
──逃げられませんね(笑)なぜ資格にこだわるんですか?
小池:最近新卒の方もね、新卒の方は10年以内に介護福祉士、ケアマネ、社会福祉士って、この三つを取るんだって言っています。この三つを持っていたら、仮に会社が潰れてもちゃんと生きていけると思うんです。そういう事を働く職員たちに残してあげたい。勿論会社をつぶす気はないですけどね。
でもそういうことをするには、本人がやる気にならないといけません。だからそのやり取りを一人一人、根気よくやっていかないといけないと思うんですよ。辻説法で一人一人。直接、話をするリーダーは腕力でやらせることはできます。でも現場の職員は日頃そういう接触がないので、丁寧に動機付けを、こつこつと場を見付けてはしていかないとだめだと思ってます。
そういえば、この間、矢野さんに通信大学通えって言いながら、ふと気付いたんです。私も高卒やったなと。だから僕も今、通信大学生です。
でもそういうことをするには、本人がやる気にならないといけません。だからそのやり取りを一人一人、根気よくやっていかないといけないと思うんですよ。辻説法で一人一人。直接、話をするリーダーは腕力でやらせることはできます。でも現場の職員は日頃そういう接触がないので、丁寧に動機付けを、こつこつと場を見付けてはしていかないとだめだと思ってます。
そういえば、この間、矢野さんに通信大学通えって言いながら、ふと気付いたんです。私も高卒やったなと。だから僕も今、通信大学生です。
利他を生きる
──ありがとうございます。小池理事長はいつも誠実に理念の実現に向けて行動されておられますが、会社にとって理念とはどのようなものだとお考えですか?
小池:働くっていうのは生活のためもあるんですけども、生活のためだけに留まってしまったら人は伸びないと思います。あなたのやっている仕事は社会につながってる、役に立ってるということを教えてくれるのが会社の理念だと思うんですよ。仕事をしていると、どうしても私達は目先に追われるようになります。本当はきれいな心で仕事がしたいのだけど、人間には本能がありますので、自分のメンツとかプライドとか欲得の物差しで物事を計ってしまう。それを取り払っていくのが理念であったり、考え方なんだと思います。
最終的には利他をどう生きるかという事です。お風呂のお湯をこっちに手繰り寄せたらお湯は向こう側に押し出されます。逆に向こうへ押し出したら向こう側からお湯が返ってくる。人の仕事はこういう風に成り立っているんじゃないかと思います。
最終的には利他をどう生きるかという事です。お風呂のお湯をこっちに手繰り寄せたらお湯は向こう側に押し出されます。逆に向こうへ押し出したら向こう側からお湯が返ってくる。人の仕事はこういう風に成り立っているんじゃないかと思います。
──今日は大変貴重なお話しをいただきましてありがとうございました。最後に、当社の社員にメッセージをいただけないでしょうか。
小池:はい。会社の寿命は30年と言われます。ですから継続するのは非常に大変なことです。継続が難しい理由の一つは、環境変化。もう一つは人材育成。
プライベートなことで恐縮なんですけれども、私は御社の初代社長に大変お世話になりました。また現社長とは一緒に経営を学ばせていただいています。この事にご縁を感じておりまして、私どもの使う車でトヨタ車があれば御社でお世話になるようにと申しております。
今、後継者がいないことが理由で廃業する企業が多く、活力が失われる社会の中、今回3代目の社長として新しい経営体制になられました。ぜひ皆さま力を合わせていただいて、地域に愛され永続性のある会社を共に作り上げていただき、また地域に貢献していただきたいです。
プライベートなことで恐縮なんですけれども、私は御社の初代社長に大変お世話になりました。また現社長とは一緒に経営を学ばせていただいています。この事にご縁を感じておりまして、私どもの使う車でトヨタ車があれば御社でお世話になるようにと申しております。
今、後継者がいないことが理由で廃業する企業が多く、活力が失われる社会の中、今回3代目の社長として新しい経営体制になられました。ぜひ皆さま力を合わせていただいて、地域に愛され永続性のある会社を共に作り上げていただき、また地域に貢献していただきたいです。
理念
「全従業員の物心両面の幸福の追求と、福祉と教育を通じて六方笑顔を創造し社会の成長発展に貢献する」
小池由久理事長プロフィール
1954年 岐阜県に生まれる
1972年 高校卒業後、菱村総合税務会計事務所(現 株式会社日本経営ホールディングス)に入社
1991年 日本経営代表取締役副社長就任
1996年 日本経営代表取締役就任
1999年 サエラ代表取締役就任
2007年 日本経営代表取締役会長就任
2009年 ウエル清光会理事長就任
2014年 日本経営名誉会長就任
聞き手:小西敏仁 / 撮影・構成:山本一夫(広報室)